阪公戦観戦記

72日(日)、大阪公立大学定期戦東京大会男子バレーボールの試合が、東京都立大学南大沢キャンパス体育館で行われました。昨年の大阪大会ではフルセットの末、都立大が勝利して定期戦全体で貴重な勝ち点を挙げました。今年も連勝の期待がかかります。

定期戦恒例の両校応援団による応援合戦も賑々しく、午前10時に5セットマッチで試合が始まりました。それでは試合の模様をお伝えします。

いざ、出陣!

左から、和田幸村(164年、レフトサイドアタッカー)、山本健才(12年、センターブロッカー)、柏木英寿(22年、センターブロッカー)、小野寺孝王(32年、ライトサイドアタッカー)、河本秀梧(42年、レフトサイドアタッカー)、小町大翔(53年、レフトサイドアタッカー)、高井良駿一(63年、セッター)、西田蒼志(73年、ライトサイドアタッカー)、水島涼雅(91年、ライトサイドアタッカー)、兵永悠輔(111年、レフトサイドアタッカー)、向井啓揮(141年、リベロ)、吉田成希(151年、セッター)、平野一真(174年、リベロ)、岡野紘太(194年、センターブロッカー)

  )内は背番号と学年、ポジション。敬称略。

 

大阪公立大学チームは部員8名と少人数だったが、190cm近い上背のあるメンバーもいて手強い印象だったが、攻撃力はさほど強力ではない。

 

第一セット

スタメンは、レフトサイドに河本(4)、小町(5)、ライトサイド小野寺(3)、ミドルブロッカーに岡野(19)、山本(1)、セッター吉田(15)、リベロ平野(17)を配し、春のリーグ戦不動のメンバー。

山本がサービスエースを決め、河本が豪快なスパイクを放つなど序盤からリズムに乗り、6:3とリード。岡野がお手本のようなクイックを決め、7:4とするが、阪公大も意表を突くバックアタックなどで反撃。守備を乱され、9:8と徐々に追い上げられる。こちらのミスも重なって11:10とされ、競り合う展開となる。

ここで吉田がサーバー。手元で伸びる早いサーブで阪公大に攻撃のきっかけを与えず、岡野ブロックからレフト河本が決める攻撃の流れが再三決まる。15:10になったところで阪公大、タイムアウト。しかし勢いは止まらず、吉田のサーブで連続6得点、試合の主導権を握った。河本がやや疲れたところを小野寺がライトからカバーし、18:12と点差を広げる。吉田のトス回しが光った。

後に下がった河本がドライブのかかった好サーブを連発。サービスエースを決め、小町が絶妙なフェイントを相手コート真ん中に落として、21:12

ここで吉田に代わり高井良(6)が入り、セッター交代。小町が難しいスパイクを決めて、セットポイントを握る。小野寺に代わったサーバー水島(9)が阪公大レシーブを崩し、スパイクミスを誘って25:12と危なげなく第1セットをものにした。 

 

第二セット

スタメンを変更。和田(16)が河本に代わりレフトサイドポジションに、ライトサイドに兵永(11)が入る。

和田がいきなり止められ、先行される立ち上がり。しかし和田がお返しのスパイクを決めると頼れる岡野がすかさずセンターからたたき込み、2:3として吉田のサーブにつなげる。第1セット同様、吉田の浮き上がるサーブに阪公大が手こずり、チャンスボールを小町がバックから決めるなど、連続5得点して7:3と一気に引き離す。阪公大はたまらずタイム。

逆にこちらはサーブカットがセッターにきっちり入り、和田、小町のスパイクが着実に決まる。和田は後ろに下がると重く早いサーブを連発。阪公大は対応できず、ミスを重ねる。一方、こちらはこぼれ球をことごとく拾うファインプレーが続き、岡野がセンターから鮮やかに決めるなど連続7得点し、15:4と一方的な展開となる。相手は2回目のタイムアウト。兵永に代わり西田(7)をサーブに、さらに岡野に代わり高井良(6)、山本に代わり柏木(2)を入れる矢継ぎ早のメンバーチェンジ。

和田が完璧なブロックで22:8。さらに岡野が阪公大エースを止めて24:11とし、最後は和田が相手右コーナーに測ったようなスパイクを決めて第2セットを連取した。25:12

吉田と和田の好サーブと、丁寧にボールを拾い上げたリベロ平野のレシーブが光った。

 

第三セット

スタメンを大きく入れ変え、和田(16)、兵永(11)をレフトサイドポジションに、ライトサイドに西田(7)、ミドルブロッカー山本(1)、柏木(2)、セッターは高井良(6)、リベロに平野(17)と向井(14)の布陣とする。

兵永が先取点を奪うと、序盤からレシーブをことごとく上げ、柏木がセンターから決め、和田がストレートにスパイクを決めるなど、早々に5:1と優位に立つ。

和田に代えて起用されたサーバー水島(9)が好サーブを放ち、相手陣形を崩して10:3とリードを広げると、阪公大はたまらずタイムアウト。 

中盤、阪公大のスパイク、フェイントに反応できず、11:6と追い上げられるが、西田から代わったサーバー吉田がいきなりサービスエースを決める。セッターを2枚にしたことで「アタッカー」高井良がライトから2本決め、16:7。平野が難しいボールをアウトのナイスジャッジ、17:8とリードを保ち、吉田が前衛に上がると攻撃参加して、20:10とほぼ試合を決める。山本がクイックモーションから相手コートの真ん中に落とす頭脳的プレーで22:11。山本に代わり岡野がサーブに入ると、得意のドライブサーブを決めて23:1124点目は試合を象徴するような長いラリーの末、小野寺のスパイクが決まり、ついにマッチポイント。吉田の好サーブから返ってきたチャンスボールを最後は柏木が見事に決めて、ゲームセット。25:12

ボールを繋ぐ執念を見せた都立大に対して、阪公大は度重なるサーブミスで反撃の糸口をつかめなかったセットだった。

 

セットカウント 3025:1425:1225:12

 

OBの眼;寸評】

早いサーブ、粘り強いレシーブ、安定した2段トスなど、都立大の良いところがすべて出た試合だった。もともと持っていた多様な攻撃力を引出す基本プレーがしっかりしたことで、相手の攻撃を切り返して連続得点ができるようになった。選手でいえばセッターとリベロの存在が大きい。春季リーグ戦で白星を重ね、先日の東京地区国公立戦で優勝と6位を勝ち取った実力は決してフロックでなかったという証明だろう。

一方、阪公大はまとまりを欠き、精彩がなかった。消極的なプレーでミスを重ね、萎縮してしまったのではないかと思う。来年の立て直しに期待したい。

 

【定期戦を終わって

 当日は部員の父兄の方々の姿が多くみられ、現役女子やOBOGもたくさん応援に駆けつけてくれました。またかつての府大バレー部キャプテンだった大塚氏が大阪公立大学副学長、バレー部顧問としてお見えになっていました。

公式戦の後、新人中心のチームで1セット行われ、このセットも25:15で勝ちました。前後に揺さぶるサーブや自分の得意プレーをみせる各人の積極性が随所に見られました。終盤、控えの野中がサービスエースと25点目を決めるスパイクを放って締めくくり、大いに盛り上がりました。

選手層の厚さを増した、総勢30名の都立大男子バレーボール部。ベテランとルーキーがお互いに切磋琢磨して、ミスを恐れない積極的なプレーによるさらなる飛躍を期待します。

 

(文責;佐藤恒夫 21期)